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図解でわかる かしこい贈与のしかた・もらい方
 

◆新しい税制の創設
贈与税は一年間に贈与を受けた額から、110万円の基礎控除を差し引き、その課税対象額に対して10%から50%の税率で課税されます。この方式が従来型課税制度(A方式と呼ぶ)です。
平成15年に相続税法が改正されましたが、衝撃的な内容の大改正でした。それが相続時清算課税制度(B方式と呼ぶ)の創設で、贈与税と相続税が一体課税されるようになりました。

◆B方式の内容
B方式の贈与お適用対象者は親子間という制限がありますが、特別控除額が二五〇〇万円もあり、二五〇〇万円までの贈与に関しては贈与税がかかりません。二五〇〇万円を超える額には、一律20%の税率で贈与税が課税されますが、非常に低い税負担となっています。しかも、支払った贈与税は相続税の前払いであり、将来の相続税から全額が差し引かれます。このように実質的に贈与税は非課税になりますから、B方式は相続税の一本課税ともいえるしくみです。

◆活用範囲の飛躍的な拡大
活用範囲が飛躍的に拡大したため、どのように活用すれば良いのか、戸惑うようです。そこで、活用する場合の方向づけを示しますと「相続税がかかる人」には、「相続税の節税目的」からはA方式が主流ですが、B方式にも節税になるものがあります。「その他の目的」を考えますと、B方式は多額な贈与が可能ですから、資金援助や財産分けに効果的に活用できます。

◆本書は贈与税の活用方法に重点
本書は贈与税を専門に取り上げた本で、「A方式、B方式のしくみ」について詳細に説明しています。そのうえで、「有効活用のしかた」に重点をおいて書いています。具体的には、2章にA方式の活用法、5章にB方式の活用法、6章にマイホーム取得資金の贈与の活用法、7章に土地・家屋の贈与に対する活用法をまとめています。本書が皆様方のお役に立つことを願っております。

 

税理士 黒木 貞彦 著
中央経済社 定価 2,100円(税込) 平成17年3月25日初版発行