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遺言作成
 
■遺言できる事項
 
相続税法の「相続又は遺贈」という表現の意義について説明しましょう。


 「相続」とは、人の死亡(被相続人)によって、その人が生前所有していた権利、義務を被相続人の法定相続人が引き継ぐことをいいます。この場合は、当然、相続税が課税されます。

 「遺贈」とは、遺言による財産の処分のことをいいます。遺贈は、被相続人が生前に遺言によりその処分を決めておくもので、被相続人の死亡によって効力が発生します。この場合にも相続税が課税されます。

 ところで、遺言(法律用語としては「いごん」と読みます)は、一定の方式によってされる相手方のない一方的、単独の意思表示で、その者の死亡によって法律的な効果が発生します。

民法では、下の図表のとおり、「遺言できる事項」についても厳格に定めており、民法に定めのない事項は、効果がありません。

 相続関係の中で、I「遺言執行者の指定」は必ず行ってください。遺言執行者の任務は、相続財産を調査して財産目録を調整します。必要であれば、動産の引き渡し、不動産の登記、債権の取立て、弁済、さらには訴訟の提起を行うことができます。
特に、遺言の内容が、子供の認知、動産・不動産の遺贈、寄付行為、遺産の分割の指定があるような場合には、その内容を実現するために必要な一切の行為をする権利と義務を持つ遺言執行者が必要です。

遺言できる事項
身分関係@認知
A後見人・後見監督人の指定
財産関係B財産の処分(遺贈と寄付行為)
相続関係C相続人の廃除およびその取り消し
D相続分の指定およびその委託
E遺産分割方法の指定およびその委託
F5年以内の遺産分割の禁止
G相続人担保責任の指定
H遺留分減殺方法の指定
I遺言執行者の指定およびその委託
@、A、Cは生前にもすることができるが、その他は遺言によってのみすることができる。

 
遺言を書く練習

 家族への感謝状を書くつもりで遺言をノートにまとめるのもいいでしょう。葬式の方法、墓の形式、戒名など、とにかく何でもいいから家族宛の手紙を書くつもりで、気楽に取り組むことです。
そしていつの日か、遺言ノートを集約し、公正証書遺言を作ってはどうでしょうか。


■遺言のしかた
 遺言は、民法に定める方式に従わなければ、これをすることができないとされ、定められた方式以外の遺言は、遺言としての効力を有しません。
 普通方式の遺言は、
@ 自筆証書遺言
A 公正証書遺言
B 秘密証書遺言
   の3つがあります。

秘密証書遺言は、遺言書を封筒に入れ、封印をしたものを公証人と証人二人が署名・押印する方式の遺言です。内容は秘密にできますが、記載ミスで遺言が無効になるおそれがあり、安全確実なものではありません。

 公正証書遺言は、公証人が遺言者の遺言書を作成し、保管してもらう方式の遺言です。
 公正証書遺言の場合は、家庭裁判所での「検認」の手続きは必要ありません。それは遺言書の保管が確実であり、偽造や変造の危険がないからです。信託銀行や税理士に遺言の手続きを依頼すれば、信託銀行や税理士の職員が証人になりますから、証人の心配をする必要はありません。

 公正証書遺言の作成手順は次のとおりです。
@ 証人二人以上の立会いが必要です。

A 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授します。

B 公証人が口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせまたは閲覧させます。

C 遺言者および証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名・押印します。

D 公証人は、以上の手続きがすんだ後に、署名・押印すれば、遺言は成立します。

種類自筆証言遺言公正証書遺言
証人または立会人不要証人2人以上
書く者本人公証人
署名押印本人本人・証人・公証人
日付年月日を書く年月日を書く
家庭裁判所の検認必要不要
特色保管がむずかしいが秘密は保てる
簡単に作成できる
要件が不備の場合、紛争が起こる可能性がある
保管は確実であるが秘密の漏れる心配がある
作成費用なし公証人の手数料が必要

秘密証書遺言は、次のように作成します。

遺言証書に署名押印したうえ、封筒に入れ、証書に用いた印鑑で封印します。
この封書と公証人と2人以上の証人の前に提出し、自分の遺言である旨を申述します。
公証人が提出年月日と遺言者の申述を封書に記載し、遺言者、証人、公証人が各自署名押印します。


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