■贈与方式
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贈与税の課税方式について、ここでは、従来の課税制度を「A方式」とし、平成15年1月1日より創設された相続時精算課税制度を「B方式」として説明しています。
一般的に税制が改正されると、旧制度が廃止され、新しい制度が誕生するものですから、この度の改正で、従来のA方式が廃止され、B方式が誕生したものと勘違いしますが、それは誤りです。
この度の改正では、A方式は廃止されずそのまま残っており、別にB方式が創設されたもので、贈与の課税方式が下のとおり、A方式とB方式の2つになったのです。
この度の改正内容を理解するうえで、この点が最も重要なポイントで、A方式とB方式が併存していることをまず理解してください。
ここで、A方式は従来からの課税制度ですから、贈与を受けた人が、毎年110万円の基礎控除を適用し、それを超えた贈与価格に、税率をかけて、贈与税を計算する方式です。A方式がこれまでどおり原則的な課税方式です。
B方式の適用を受けるには、B方式を選択する旨を税務署長に届け出なければなりません。B方式の選択の届け出をしなければ、従来どおりA方式によって課税されます。
B方式を一度選択すると、B方式の課税方式が相続時まで継続適用され、A方式に戻ることはできません。そのため安易な選択は止め、選択にあたっては慎重に検討を加えることが必要です。
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| 区分 | A方式(従来型課税制度) | B方式(相続時精算課税制度) |
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| 贈与者・受贈者 | 親族間のほか、第三者からの贈与を含む。 | 65歳以上の親から20歳以上の子や 代襲相続人である孫への贈与。 |
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| 選択 | 不要 | 必要(父母ごと兄弟ごとに選択) 一度選択すれば、相続時まで継続適用し、A方式には戻れない。 |
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| 控除 | 基礎控除(毎年)110万円 | 特別控除2,500万円 住宅資金特別控除額は1,000万円 |
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| 税率 | 10〜50% | 一律20% |
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| 相続時精算 | なし | 受贈財産を相続財産に加算贈与時の申告価額で加算 |
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B方式の年齢の判定は、いつの時点で行うのでしょうか。B方式の適用対象者は、贈与者が65歳以上の父・母、受贈者が20歳以上の推定相続人である子供や孫とされています。この年齢の判定は、B方式を選択しようとする年の1月1日現在で行うことになっています。
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■B方式
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B方式は平成15年の改正で創設され、贈与の受贈者(贈与を受けた人)で、一定の要件を満たすものが平成15年1月1日以後の贈与から、選択して適用することができる課税制度です。
・「適用対象者」は、贈与者(贈与する人)が65歳以上の父・母、受贈者が20歳以上の直系卑属である推定相続人です。具体的には子供や代襲相続人である孫・ひ孫になります。
・「適用手続」は、この制度の適用を受けようとする受贈者(子供や孫)が、その選択する最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、税務署長に対してその旨の届出書を贈与税の申告書に添付して行います。
・「適用対象財産」は、財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
・「贈与税の計算」は、その年のB方式を選択した贈与者からの贈与財産の合計から、特別控除の2,500万円(すでに適用を受けて控除した残額)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じ計算します。
・「相続税の計算」は、それまでのB方式による贈与財産を相続財産に加算し、その価格を基に相続税を計算します。計算された相続税額から、すでに支払った贈与税額を控除し、控除しきれない場合は、還付が受けられます。 この場合、加算する贈与財産の価額は贈与時の贈与税の申告金額とされます。
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| 区分 | 制度上の取り扱い |
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| 適用対象者 | ★贈与者は65歳以上の父・母、受贈者は20歳以上の子や代襲相続人である孫。人数の制限はない。 |
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| 適用手続き | ★適用を受けようとする受贈者は、最初の贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までに、その旨の届出書を贈与税の申告書に添付する。 ★この選択は、贈与者である父・母ごとに、受贈者である兄弟姉妹が別々に、選択することができる。 ★選択の届出を出すと、相続時まで継続して適用される。 |
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| 対象財産 | ★贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はない。 |
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| 贈与税額の計算 | ★受贈者はB方式の贈与者からの贈与財産について、他の贈与財産と区別して、贈与税の計算を行う。 ★贈与税額は、B方式による贈与財産の合計額から、特別控除2,500万円(すでに適用を受けて控除した残額)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて計算する。 |
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| 相続税額の計算 | ★B方式による贈与財産を相続財産に加算して、相続税を計算し、その相続税から贈与税を差し引き納付税額を計算する。 ★加算する贈与財産の価額は、贈与時の申告価額である。 ★控除しきれない贈与税は還付される。 |
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| 適用時期 | ★平成15年1月1日以後の贈与から適用される。 |
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B方式の選択は、贈与者と受贈者のそれぞれの組み合わせができます。したがって、父と母の2人とも選択ができ、父と長男、母と長男の選択が可能です。この場合の特別控除は、父からの贈与に2,500万円、母からの贈与に2,500万円が利用でき、合計5,000万円を無税で受け取れます。
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■B方式の活用法
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「相続税がかからない人」は、相続税を節税する必要がありませんから、迷わずB方式を選択してください。また、「相続税がかかる人」も「相続税の節税目的」以外として、B方式は、下の図解の@ABのような活用方法があります。
・@の「多額な贈与ができる」は、B方式には、2,500万円の特別控除額と20%の一律税率で、税負担が少ないため、多額な財産を贈与するのにB方式を活用することができます。
・Aの「資金援助ができる」は、多額な財産が贈与できるため、独立開業資金や住宅ローンの繰り上げ返済など、目的のある効果的な資金援助をする活用方法です。
・Bの「財産分けを早めにする」は、相続まで待たず、財産分けを早くする活用方法です。 また、B方式は贈与財産をすべて相続財産に加算して相続税を計算しますから、相続税の節税効果はありません。しかし、これは一般論であって、詳細に検討しますと、相続税の節税になるB方式の活用方法が、下のように二つあります。
・Cの「値上がりする財産の贈与」は、相続財産に加算する受贈財産の価格は贈与時の時価と定められており、値上がりする財産を早めに贈与すると、相続税の節税になります。
・Dの「運用収益の分散が図れる」は、不動産所得が生ずる不動産を親から子供に贈与すると、運用収益が子供に帰属し、税引後の資金が子供に備蓄されるため、親の相続税が節税になります。
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○B方式の活用法○| 相続税がかからない人 | B方式 | @多額な贈与ができる 特別控除額が、2,500万円ある。それを超えても、一律20%の税率である。 |
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A資金援助ができる 子供が独立開業する資金や住宅ローンの繰上返済の資金援助ができる。 | 相続税がかかる人 | その他の目的 | B財産分けを早めにする 住宅用の土地、住宅取得資金、自社株式など、財産分けとして贈与することができる。 | | 相続税の節税目的 | B方式 | C値上がりする財産の贈与 相続財産に加算する贈与財産の価格は、贈与時の申告額である。値上がりする財産は早めの贈与がトク。 |
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D運用収益の分散が図れる アパートを贈与すると賃貸収入が子供に帰属し、子供の預金が増加する。その預金分は親の相続税の節税になる。 | | A方式 | 長期に分割して贈与する。 |
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孫がB方式の贈与を受けるには、どうすればよいでしょうか。B方式は父・母から推定相続人の子への贈与という要件がありますから、祖父・祖母から孫へ直接贈与することはできません。そこで、祖父・祖母から父・母へ、父・母から孫へ、それぞれB方式によるリレー贈与をすれば実行できます。
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