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■相続対策のすすめ方

ここでは、「相続対策」の全体像を要約します。

下の図解のとおり「相続対策」は、まず、相続財産の評価をして課税価格をつかみ、相続税額を試算します。
相続税額を試算して、
@ 「相続税がかからない」 場合

A 「相続税がかかる」   場合

B 「相続税が多額にかかる」場合

C 「相続税が少しかかる」 場合


の4つに区分すれば、あなたにとっての「相続対策」の重点を明確にすることができます。
つまり、
@ 「相続税がかからない」場合は「財産承継対策」に専念します。

A 「相続税がかかる」場合
には「相続対策」になりますが、「相続対策」は
「納税資金対策」と「相続税節税対策」の二つに分けられます。

B 「相続税が多額にかかる」場合
は、「納税資金対策」に着手して下さい。

C 「相続税が少しかかる」場合
には、少しでも相続税が少ない方が望ましいので、「相続税の節税対策」と「贈与のしくみと活用法」を考えます。





相続税の資産がスタートになりますが、日常の生活に追われて、それがなかなかできません。
これを税理士に依頼し、相続対策を始動させるのが賢明です。
財産目録の作成、財産評価、相続税額試算で、自社株式の評価がなければ10万円程度でしょう。
低下はありませんから、値切ってみてはいかがでしょう。



■相続税節税対策のまとめ
―長期戦略計画を立てじっくりと対処する―

 これから相続税の節税対策を検討します。
近年さまざまな歯止め策が打たれ、ダイナミックな節税策はなくなりました。
よくいわれるように、新薬治療ではなく、漢方薬治療で、じっくりと気長に節税を図る必要があります。
その意味で、長期戦略計画が必要です。

究極の節税策は、「財産」がなければ相続税は課税されないのですから、被相続人名義の財産を残さないようにすることです。
そのためには、
@ 「やるか」
A 「売るか」

のいずれしかありません。
「売る」場合は、子供に売るか、自社に売るか、第三者に売るかを検討します。
そして、売って入金した金銭は、さらに「やって」消していきます。

「やる」ことも「売る」こともできない財産は、「評価減」させることを考えます。
B 積極的に不動産を購入するか、
C アパート・マンションを建築するか、
D 借地権を設定します。


相続税の非課税規定を活用し、節税を図ります。
E 生命保険には最低でも非課税枠までは加入するようにします。
F 死亡退職金はできるだけ多く取る方が有利ですから、
会社契約の生命保険に加入して、退職金が取れるように準備します。
G 仏壇は一つですが、墓地は二男や三男の分も要りますから買っておきます。


相続税のしくみを活用し、
J養子縁組は一人は必ずします。
K配偶者控除はフルに活用します。


まだまだ、実に盛りだくさんの節税策があります。


○相続税節税のポイント○

区分相続税節税対策
相続税を減らす@贈与を活用する
A売却 → 売却資金 → 贈与
相続財産の
評価額を下げる
B不動産を購入する
Cアパート、マンションを構築する
D借地権を設定する
相続税の
非課税規定を活用する
E生命保険を活用する
F死亡退職金は必ず受け取る
G仏壇、墓地を購入する
H国等に相続財産を寄付する
I公益法人に相続財産を寄付する
相続税の
仕組みを活用する
J養子縁組をする
K配偶者控除をフルに活用する


※上記@、Aの贈与はA方式(従来の贈与)による対策です。
     B方式(相続時精算課税制度)による贈与は相続税の節税にはなりません。


節税対策として、バブル経済の最中は、図表のBの不動産を購入する、Cアパート・マンションを建築する、などが盛んでした。その後、土地が値下がりし、アパートやマンションには空室が出て困っています。
節税対策は、その経済的効果、資金繰り、危険性などを優先させ、節税効果は二次的に考えるべきです。



■贈与による節税対策のまとめ
―長期・分割贈与が贈与税を節税するポイント―


贈与(従来の贈与・A方式)は相続税節税対策の基本ですが、贈与するにも節税が必要ですから、その節税策をまとめてみました。

「いつ」は、一度に贈与すると税率が高くなりますから、長期間かけて、分割して贈与します。

「だれに」は、一人だけでなく、数人に分けて贈与します。
ファミリー単位と書いていますが、例えば、土地等の高額なものは、次男だけに贈与するのではなく、次男の妻、次男の子供、次男の孫を含めた次男のファミリーに分割して持分で贈与します。

「なにを」は、現金はストレートな評価額ですが、ゴルフ会員権、家屋、土地等は、時価相場よりも低く評価されます。
相対的に、低い評価のものがトクになります。会社経営者は、自社株式の贈与を毎年実行して下さい。

「どれだけ」は、110万円の基礎控除額にこだわらず、財産に応じた節税範囲額を贈与して下さい。
不動産の場合は、評価額が一千万円までのものは、ファミリー単位で全部を贈与します。
評価が高ければ、半分を贈与するなど工夫します。

「どのように」は、自社株式の場合は、評価引き下げ対策を実行した後に贈与します。
負担付贈与も検討します。

その他、特典としていますが、贈与税の有利な特典があります。
かなり大型のものがありますから、うまく活用して下さい。
この活用は、確実に相続税の節税に結び付いています。


○贈与のための節税策○
いつ@一度に贈与せず、長期間かけて計画的に分割して贈与する
だれにA1人でなく数人(ファミリー単位)に分けて贈与する
B後継者となる孫に贈与する
なにをC現金よりも評価額が下がるものを優先する
(例えばゴルフ会員権、家屋、土地)
D値下がりした上場株式を贈与する
E換金性のない自社株式を贈与する
どれだけF110万円の基礎控除にこだわらず、
相続財産に応じた節税範囲額を贈与する
G不動産は評価額1,000万円までのものは全部を贈与する
H評価額の大きい土地などは1╱2とか1╱3の持分で贈与する
どのようにI自社株式はまず評価を下げた後に贈与する
J借入金とセットする負担付贈与も検討する


特 典@妻に2,000万円までの居住用財産を贈与する
A子・孫に住宅取得資金を贈与する
B特別障害者に6,000万円までの信託財産を贈与する
C公益法人に公益事業用財産を贈与する
D農業継承者に農地を贈与する


自社株式の贈与は、まず、評価引き下げ対策を実行した後、後継者や後継者のファミリー(多人数)に長期間かけて計画的に行います。自分の会社の株式が高く評価されると、換金性もなく、相続税の負担に困りますから、早くから贈与に着手するべきです。
今後は、第三者に売却するM&Aも検討すべきです。


☆B方式については ―――→ お役立ち情報へ




「図解でわかる かしこい相続対策のすすめ方」 より
黒木 貞彦 著
中央経済社  平成17年3月25日 初版発行




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